症例紹介

【症例紹介】他院で治療を受けたが改善がみられなかった高齢犬の皮膚炎、脱毛

皮膚科

2022/06/09/

症例

ミニチュアダックスフンド、未去勢オス、11歳

主訴・経過

2か月前から体を痒がっている、脱毛している。他院でステロイドと抗生剤の内服、抗真菌薬の塗り薬等で治療を受けたが良くならないという主訴でご来院された。
痒みがひどいので、エリザベスカラーをずっとしているとのこと。

身体検査

背部全体、まばらに発赤(赤み)、丘疹(ブツブツ)、脱毛あり。
両側臀部、頸部腹側および背側、前胸部にも脱毛を認めた。

診断

皮膚科検査により、球菌、桿菌が検出され、細菌性皮膚炎と診断された。
また、皮疹の分布や経過から、外部寄生虫性疾患も伴う可能性が考えられた。

治療

ノミマダニ駆除薬(シンパリカ)による試験的駆虫、抗菌シャンプー療法、抗生剤軟膏塗布、痒み止めとしてオクラシチニブ(アポキル)の内服、食事変更などを組み合わせて治療を行った。

初診から10日後

痒みはほとんどなく、今までガジガジ噛んでいたのがなくなったとのこと。
身体検査で全身皮膚に発赤なく、オクラシチニブを減量。

初診から4か月

問診で痒みもなく、身体検査でも皮膚の発赤なし。脱毛部も良好な発毛を認めた。
経過良好の為オクラシチニブは更に減薬し、終了。現在も投薬なしで皮膚状態は良好。

先生から一言

この子は、他院でステロイド剤、抗生剤などの治療をうけたが良くならないとのことでご来院されました。
皮膚の炎症や脱毛が起こる原因は様々で、いくつかの疾患が併発している場合もあります。
シンパリカ、ネクスガード等のイソオキサゾリン系駆虫薬は、ノミ、マダニ、回虫など腸内の寄生虫だけでなく、ニキビダニや疥癬という皮膚炎をおこす寄生虫の駆除も可能と報告されています。
ニキビダニや疥癬などの寄生虫は、皮膚検査での検出率は高くないので、疑わしい場合は駆虫薬を投与することがあります。

皮膚が赤い、皮膚を掻いたり舐めたりしている等、ワンちゃんの皮膚について気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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