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症例紹介

【症例紹介】僧帽弁閉鎖不全症

循環器科

2022/02/17/

症例

動物種:犬
品種:ポメラニアン
年齢:16歳

主訴

心雑音の精査で来院

身体検査

Levine3/6(中程度)の左室収縮期雑音を聴取

検査

1.胸部X線検査


写真①② VHS(心拡大の指標。犬では10.5以上で心拡大を示唆する。):12.5→心臓の拡大を認める
肺野は問題なし

2.心臓超音波検査


写真③ 収縮期に僧帽弁逆流が認められる

写真④ LA/AO(左房径大動脈径比。左心房拡大の指標。1.6以上で左心房の拡大が示唆される):1.8→心臓の拡大を認める

写真⑤ FS(左室内径短縮率。心臓の収縮機能や、心臓にかかっている負荷をみる指標。健常犬では35~45%。):41.4%

写真⑥ E波(拡張早期波)/A波(心房収縮波)(拡張期の左房左室間の圧較差の指標):0.94
→左心室の拡張機能の低下が認められる

診断

僧帽弁閉鎖不全症 ACVIMステージB2

※僧帽弁閉鎖不全症、ACVIMステージについて詳しくはこちら

治療

ピモベンダンの投与を開始した

治療経過

≪1か月後≫

1.胸部X線検査



写真⑦⑧ VHS(心拡大の指標):11.0→心臓の拡大の改善を認める
肺野問題なし

2.心臓超音波検査


写真⑨ LA/AO(左心房拡大の指標):1.36→左心房拡大の改善を認める

写真⑩ LVIDDN(左室拡張末期径。1.7以上で左心室の拡大が示唆される):1.56→経過良好

写真⑪ E波/A波(拡張期の左房左室間の圧較差の指標):1.63→経過良好

評価

経過良好の為、同様の内服を継続することとした

先生から一言

僧帽弁閉鎖不全症は中高齢の小型犬で多い病気ですが、咳や疲れやすいなどの症状は、病状がかなり進行してからでないと出てこないことが多いです。
体には動脈循環を維持するための代償機能が備わっており、初期の僧房弁逆流に対し、体が血液の逆流を補う為、心拍数を上げたり末梢の血管を収縮させることで、循環血液量を維持しようとします。
逆流量が増えてくると、心臓が拡大することで、心拍出量を補おうとします。
更に逆流量が増えると、僧房弁輪が拡大してしまうことで、逆流量が増加してしまいます。
心臓が限界に達すると、送り出せなくなり行き場を失った血液は、肺へ染み出し、肺に水が溜まる肺水腫という状態に陥ってしまいます。

ACVIM Consensus Statement Guidelinesという、アメリカ獣医内科学会による、犬の粘液腫様変性性僧帽弁疾患に対する診断、治療ガイドラインでは、ステージB2の段階でピモベンダンを使用し始めると、肺水腫の発生もしくは心臓関連死までの期間が有意に延長したとの報告があります。
プラセボ(偽薬)群766日(2年)に対し、ピモベンダン使用群では1228日(約3年)ですので、462日(約1年以上)の延長効果が期待できます。

特に小型犬の高齢の子では、調子が良さそうでも定期的に病院に聴診に来ていただき、雑音が認められた場合は、胸部X線検査や心臓超音波検査等を行い、心臓の拡大が出てきた際には、進行度に合わせたお薬を飲ませてあげることで、生活の質を長く保つことができると考えられます。

 

足立区東和にある亀有東和動物病院。
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