病気紹介

高齢の小型犬に好発!僧帽弁閉鎖不全症とは?

2021/07/09/

さて、本日は病気について解説いたします。
今回は「僧帽弁閉鎖不全症」。
僧帽弁閉鎖不全症とはどのような病気なのでしょうか?
また検査や治療はどのように行うのでしょうか?
是非ご一読ください。

僧帽弁閉鎖不全症とは

心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁(血液の逆流を防止している弁)が、老化に伴い変性することで、血液の逆流が生じてしまう病態です。
僧帽弁の閉鎖不全に伴い左心室から左心房へ血液の逆流が生じ、血液の循環不全が引き起こされます。

好発犬種

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが好発犬種とされていますが、日本ではチワワ、トイ・プードル、マルチーズなどの小型犬での発症が多いです。

症状

多くの場合、発症の初期段階では症状はなく、動物病院での診察の際に心雑音(僧帽弁逆流に伴い、血液の乱流が生じて発生する音)が聴取され発見されます。
病態の進行に伴い、疲れやすくなり、乾いた咳をするようになります。
また重症化し肺水腫(血液のうっ血が生じて肺に水分が貯留してしまう病態)を呈すると、呼吸不全を引き起こして亡くなる子が多いです。

診断

僧帽弁に逆流が生じることで心雑音が聴取されます。
しかし、聴診のみでは心臓病の診断や重症度の評価はできないため、客観的に心臓の大きさや機能を評価する必要があります。
基本的な検査としては、レントゲン検査、超音波検査、血圧測定、心電図検査で心臓の機能を評価し、血液検査や尿検査で全身状態の評価を行います。

病期分類

アメリカ獣医内科学会(ACVIM)では、僧帽弁閉鎖不全症の病期を次のように分類しています。

Stage A :現時点で心臓に異常は認められないが、今後心不全を生じるリスクの高い犬種
      例)キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、チワワなど
Stage B1:心雑音、弁の変性、僧帽弁逆流が認められ、心拡大が認められないもの
Stage B2:心雑音、弁の変性、僧帽弁逆流が認められ、心拡大が認められるもの
Stage C :過去にうっ血性心不全(肺水腫)を経験したことがあるもの
Stage D :内科治療に対して反応が乏しいもの

この病期分類では、StageB2以降の症例が治療対象とされています。
しかし、症例により病態の進行度は異なるため、定期検診による病状の把握は欠かせません。

治療

病気の重症度により使うお薬は変わってきますが、基本的には血管拡張薬、利尿薬、強心薬を使用して心臓の負担を減らしてあげることが治療目的となります。
また、肺水腫を発症した症例では、内科治療を行っても予後が9か月ほどと報告されており、このような症例に対しては、近年外科手術が行われています。

先生から一言

僧帽弁閉鎖不全症は比較的緩徐に進行することが多いですが、症状がなく気付いた時には末期の状態であることも少なくないです。
心雑音は心臓病の初期段階ですので、病院で指摘された際は精密検査を行うことをお勧めします。
どんな病気に対しても言えることですが、いかに早い段階で病気の存在を見つけ、治療を開始できるかが大切です。

いかがでしたか?
おウチの子が疲れやすくなったと感じたり、乾いた咳をしているなど、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
木曜日は循環器専門診療も行なっております。

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