病気紹介

猫の膀胱炎ってどんな病気?

2021/09/10/

さて、本日は病気について解説いたします。
今回は「猫の膀胱炎」。
猫の膀胱炎とはどのような病気なのでしょうか?
また検査や治療はどのように行うのでしょうか?
是非ご一読ください。

膀胱炎とは

膀胱炎とは膀胱内に何らかの理由で炎症が起きている病気を指します。

症状

症状は何より頻尿、トイレ以外での排尿、食欲減退、いつもと違う行動、元気消失、時には、排尿時の奇声などがあります。

原因

猫の膀胱炎の原因には、細菌性、結石性、腫瘍性、特発性、閉塞性、複合的要因によるものがあります。

細菌性膀胱炎

細菌性膀胱炎は膀胱内に大腸菌や皮膚の常在菌が入り込み感染してしまう事によって起きます。
女の子で多いですが、後で述べる複合的要因では男の子でもなります。
ただ、通常の濃い尿にはあまり細菌感染はおきません。
なので背景におしっこが薄くなる病気であったり、細菌感染しやすくなっている可能性がある為、繰り返して起きたりなかなか治らない場合はその他の病気がないか精査する必要があります。

結石性膀胱炎

結石性膀胱炎は膀胱内に何らかの理由で結石ができてしまいそれが膀胱粘膜を傷つけるために起きます。
膀胱結石は上記の細菌感染や体質の問題などで起きてきます。
詳しく膀胱結石についてはまた別でお話ししましょう。

腫瘍性膀胱炎

他の要因とは少し異なりますが、腫瘍ができることでそれが炎症に繋がり膀胱炎になります。
症状は同じでもこちらは命に関わってくることもある為、要注意です。
これも長くなるのでまた詳しくは別の機会にしましょう。

閉塞性膀胱炎

おしっこの通り道で膀胱の先にある尿道が何らかの理由で詰まってしまった際におしっこが溜まりすぎて起きてきます。
こちらも程度によっては命に関わってきます。

特発性膀胱炎

特発性とは特に原因不明の時につけられる病名になります。
ただ、猫さんの特発性膀胱炎は一部原因が分かってきており、ストレスが原因ではないかと言われています。

複合的要因

細菌感染を起こすと結石がができやすくなる事があったり、膀胱結石にがあることで出血しそれ由来で細菌感染を起こしたり、どれかの要因で頻尿を起こすことで陰部周囲が濡れた状態になる事で細菌性感染を起こす事があります。
その場合はそれぞれに治療をかけていく必要がでてきます。

診断方法

診断・鑑別は尿検査と泌尿器超音波検査によって行います。
似たような症状で他の病気も疑われる場合は血液検査やレントゲン検査・腹部全体の超音波検査を行います。
当院ではどれも可能となっています。

治療方法

細菌性膀胱炎

細菌性膀胱炎は抗生剤での治療になってきます。
ただ、抗生剤なら何でもいいわけででもなくおしっこに排泄されるものを選びます。
また、場合によってはどの抗生剤が効くのか抗生剤のオーダーメイド医療をする必要もあります。

結石性膀胱炎

結石性膀胱炎はまずご飯を変えていただき、石がなくなるか見ていきます。
無くなれば石ができにくいご飯を継続してもらいます。
石が無くならなかった場合は外科的に摘出するかどうか考える必要があります。
症状が許容されるのか、麻酔リスクは、再発を予防できるかなどです。
石があっても再発リスク等を考え、手術しない場合もあります。

腫瘍性膀胱炎

腫瘍性膀胱炎の場合検査で腫瘍が明らかな場合、それがどの腫瘍なのか調べます。
その腫瘍に適した治療を行います。

閉塞性膀胱炎

尿道が詰まっている原因にもよりますが、閉塞を解除する処置を行います。
殆どの場合は必要無いですが、場合によっては緊急手術が必要な場合もあります。

特発性膀胱炎

先に述べた通りストレスが大きな要因だと考えられています。
なのでそのストレスを軽減もしくは無くしてもらうことが治療になります。
ただこれが大変難しく、猫さんがストレスと感じてしまったら何でも原因になってしまうのです。
最近ですと、COVID-19 の影響で飼い主様の生活パターンが変化して在宅時間が長くもしくは短くなる事で起きている事もあります。
原因が分からない場合も多いです。
原因が分からない場合は猫さんの生活環境をメインに改善して頂きます。
キャットタワーを設置してもらったり、トイレの数を増やしていただいたりサプリメントを使ったりなどなど。

複合的要因

複合的要因の場合上記の治療をそれぞれかけます。

先生から一言

猫さんの膀胱炎は複合的に起きる事も少なくない為、適正な診断が必要になって来ます。
特に特発性膀胱炎は原因の探索と原因不明な場合の適切な対処が大事になります。
猫さんの泌尿器トラブルでお困りでしたらお気軽にご相談ください。

いかがでしたか?
膀胱炎と一言でいっても色々な原因があり、それぞれに適した治療が必要です。
たくさんトイレに行くようになった、トイレに行ってもおしっこが出ていない、トイレ以外で粗相してしまうようになったなど…
何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

足立区東和にある亀有東和動物病院。
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