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猫の口腔内扁平上皮癌ってどんな病気?

2021/09/05/

さて、本日は病気について解説いたします。
今回は「猫の口腔内扁平上皮癌」。
猫の口腔内扁平上皮癌とはどのような病気なのでしょうか?
また検査や治療はどのように行うのでしょうか?
是非ご一読ください。

また当院で施術した舌扁平上皮癌の症例紹介はこちらをご覧ください。

疫学データ

扁平上皮癌は、猫の口腔内腫瘍で最も高頻度に見られる腫瘍です。
猫の口腔内腫瘤のうち半数以上が扁平上皮癌であったとのデータもあります。

発生頻度は性別、毛色での差はないと言われています。
老齢猫での発生が多いですが、若齢での発生報告もあります。

近年の報告では室内飼育が増えた影響かタバコの排気煙が室内の色々なものに付着し、それを猫が舐める事で発生確率が高くなるとする報告もあります。
今回紹介する腫瘍ではありませんが、同じ理由で肺の扁平上皮癌の発生が増えているという報告もあります。

発生場所

口腔内ならどこの粘膜にでも発生しますが、舌での発生報告が最も多いです。
舌小帯や舌腹側(合わせてベロの下を想像してもらうといい)で多く、舌背側面(所謂ベロの上)にはあまり発生しません。
これは発癌性物質がそこに滞留しやすいからではないかと言われています。
次に発生頻度が多いのは上顎下顎に接している粘膜と言われており、その場合は骨に反応性の腫れを作り、骨の腫瘍と間違うこともあります。

症状

発生部位によって異なりますが舌や口腔内粘膜なら潰瘍による痛みや出血、
舌の運動障害や腫瘍が口腔内を占拠する事による食べ物の嚥下困難、
上顎尾側部領域なら繋がっている目や鼻への障害等様々です。
腫瘍自体が転移して他臓器への障害をもたらす事は稀です。

診断・検査

口腔内腫瘤を見た目で診断する事はできません。
針細胞診もしくは病理組織診断が必要です。
また、発生した部位と検査によってはそれらの検査をするには鎮静もしくは全身麻酔が必要です。

多くの悪性腫瘍は周辺リンパ節転移をし、腫れたり硬くなったりします。
口の周囲の腫瘍は下顎のリンパ節に転移しますが、猫の口腔内扁平上皮癌はあまりしません。
ただし、通常通りのサイズ・硬さでも転移が見られることもあるので注意が必要です。
リンパ節転移があるかどうかは針細胞診をすることが多いです。

また、上下顎の骨の周囲にできる扁平上皮癌は骨を溶かして浸潤します。
それを確認するためにレントゲンも撮影します。
後述する治療で外科や放射線治療を選択する場合は手術範囲や照射部位の決定の為CTスキャンを撮ることもあります。

治療

無治療・緩和療法
無治療や抗生剤やステロイドでの炎症を止めるだけの治療では、食べられなくなる事などから診断から8週間ほどで亡くなる子が多いです。

外科療法
猫の口腔内扁平上皮癌は木の根っこのように根を張って広がり、場合によっては骨の中にも浸潤します。
そのため肉眼的に見えている腫瘍を外科療法単独で完全寛解(体の中から癌細胞が無くなり同じ起源で再発しない事)する事はないと言われています。
多くが1〜14週で再発するという報告があります。
顎周囲にできた腫瘤なら上顎もしくは下顎を切除する事で再発までの期間を長く出来る統計があります。
ただそれでも半年前後以内に再発しています。
積極的な治療を取ればそれだけ合併症も多くなります。
嚥下が出来なくなったり、垂れた涎を飼い主様がこまめに清掃してもらったりしなければならなくなることもあります。
顎を切除した場合の多くでは胃瘻チューブを入れます。
これは適切な管理が出来れば一生入れる事もでき、食事をあげるのが楽になったり、間違って肺に食べ物が入ってしまうことが避けられます。

放射線治療
単独での効果はあまりないとされています。
発生部位によっては顕著な効果があり、予後をよくする事があります。

化学療法(抗癌剤)
以前はあまり効果がある抗癌剤がないとされていましたが、トセラニブと言う新しい抗癌剤は一部効果が見られる報告があります。

治療総括
外科的摘出が第一選択です。
発生部位によっては放射線治療や放射線治療と外科の併用が良いです。
再発抑制のために追加で化学療法を併用します。

いかがでしたか?
やはり癌は怖いですよね。
普段口の中はあまり見ることがないと思いますし、見せてくれない猫ちゃんの方が多いかと思います。
あくびをするときにチラッと覗き込む程度でしょうか。
できるならば普段から猫ちゃんの体をよく観察し、早期発見・早期治療したいものです。
また食欲の変化など、些細なことでも何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

足立区東和にある亀有東和動物病院。
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